介護職が未経験の人におすすめしたい施設

介護の基礎がしっかり学べる「特別養護老人ホーム」

介護の基礎をしっかりと学びたいのであれば、特別養護老人ホームがおすすめです。特別養護老人ホーム、つまり特養は「特養で介護士として経験を積めばほかの施設でも通用する」と言われているほど、介護の基礎的なスキルを必要としている施設です。現在の特養に入所しているのは、認知症の方、寝たきりの方、車いすで生活されている方など要介護3以上の人たちです。そのためそれぞれの介護度合いに合わせて、幅広い対応方法を学ぶことができます。介護の中でも排せつや入浴、食事の介助といった基礎的な介護の技法を学びたいのであれば特養の中でも従来型特養で働くといいでしょう。従来型特養は、入居しているお年寄りも多いため、対応する業務も幅広くなっていますが、大体3ヶ月ほどで一通りの仕事をマスターすることができるはずです。
また、職員の育成に力を入れているところも多く、定期的に研修や勉強会を行っている施設もあります。そのため、未経験であっても知識や技術を身につけることができます。

医療的な知識を身につけることができる「病院介護スタッフ」

介護の仕事に就いていると医療的な知識を必要とすることもたくさんあるはずですが、特養では基礎的な知識を身につけることはできますが医療的な知識はなかなか身につけることができません。医療的な知識を身につけたいのであれば、病院の介護スタッフとして働くことをおすすめします。
以前まで病院の介護スタッフは看護師の補助的なポジションでしたが、現在は介護の必要性が見直されたため介護スタッフのポジションも違うものとなっています。病院で介護スタッフとして働くといっても医療行為に直接かかわることはできません。しかしながら、医療の現場で働くことで得られる経験は決して少ないものではないでしょう。
また、病院で介護スタッフとして働く場合注意しなければならないことも。
病院で働く場合、介護職員というよりも看護助手として扱われることが多いため介護の実務経験としてはカウントされないことがあります。そのため、介護福祉士の資格取得に必要な実務経験3年以上、という規定を満たすことができない場合もあるのです。実務経験に含まれるかどうか、事前に病院に確認しておきましょう。

バランスよく学びたいなら「介護老人保健施設」

介護の知識と医療の知識、どちらも学びたいのであれば介護老人保健施設がいいでしょう。介護老人保健施設、つまり老健は基本的な介護サービスだけでなく医療管理のもと、看護やリハビリを受けることができ、特養に比べて医療的な役割を多く担っています。
病院の介護スタッフ同様、医療行為を行うことはできませんが、施設には介護士だけでなく、看護師やリハビリ専門スタッフも多く働いているため、医療やリハビリに関する知識を多く身につけることができます。